人には「立場に応じて」 by 稲盛和夫
P126
古い昔の話です。天気予報を大変よく的中させる乞食がいました。
橋の下に住んでいて、「明日は雨だ」と言うと必ず雨が降るというのです。
ある時殿様がその話を聞いて、「戦をするのに役に立ちそうだ。連れて参れ」
と言って、その者を召し抱えることになったわけです。
ところが、家来になると予想が全く当たらない。
よくよく調べてみると、実は乞食で橋の下に住んでいた頃は、
風呂などに入ったためしがなく、いつも汚れた褌(ふんどし)を着けていた。
すると湿気の多い時に、股の辺りがベタベタするので、
「明日雨かな」と言うと、必ず当たるのだというのです。
きれいな裃(かみしも)でも着せてお城に上げれば、途端に
当たらなくなるのも道理です。
つまり、人には「立場に応じて」というものがある。
大変優秀そうに見えても、なぜその人が優秀なのか、という
実体をよく知っていなければならないのであり、
現場では優秀であったものが管理職に登用したら使いものにならなかった、
ということはあり得るのだと、よくこの昔話を例に引いて話をしました。
〇コメント
適材適所 言うは易く行うは難し
その人の何が、どこが優秀なのか、その源泉を見抜くために
しっかり従業員さんのこと見るのとコミュニケーションがいるのですね。
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- 2018.05.02 Wednesday
- 盛和塾 稲盛和夫の実践経営塾
- 17:35
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